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 このビンテージを紹介しているアメリカのサイトがあるので紹介します。http://www.provide.net/~cfh/fender.html こちら、フェンダーに限らずギブソンなど細かな部品情報を写真と文章(英文)で見ることができます。

 上の写真は、大きな加工も終え、塗装を次に控えた段階のものです。赤いプラグは実物、その脇にジッポーのライターがあるので、大きさの比較になるでしょう。 コンフォート・コンター・ボディー。略してコンターとも言いますが、この身体によく馴染んだ形状、丸みなど、基はプレジションベースが基礎で、レオ・フェンダー爺さんが発明しました。これが実際には音に大きな影響があります。

 このボディーの材質は、本来だとアルダーかアッシュを使います。この試作品、厳密にはアルダーを使いたかったのですが、当時は金銭面の関係上もあり入手できませんでしたので、手元にあったナラ材を使用しています。このナラ材が楽器に向いているかどうかはともかく、昔から日本では広く生活に定着したもので、炭の原料にしたり、子供たちが使う積み木の材料としても愛用されてきました。とにかく堅くて密度が高いのが特徴ですが、加工がしにくい!。ピックアップなどが収まるキャビティの加工は、すべてハンドリューターで削りだしています。

 下は耐水ペーパーによる研ぎ出しをしているところです。古い30年以上も前の^^;;クリア・ラッカーを、10数回程繰り返し塗装を重ねます。この作業を表面がツルツルになるまで、何回か繰り返します。ネックの取り付け孔に、大きな2個の穴が見えますが、最終的にはこれも塞がれ、実物と同じ4つ穴に修正されていきます。当初は、ネックにトラスロッドまでを埋め込む計画は、されていませんでした。研ぎ出しの添え木は、消しゴムを使います。大きなカーブや曲面によく馴染み、とてもやり安いのでお試しあれ。
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 塗装最終段階だというのに、ここに来てボディーの括れに問題を見つけてしまいました。再度加工するため、治具に取り付け削ることにします。削りは木工用のヤスリを使います。木地が堅いため、結構細目のヤスリでもいけそうです。

 治具とは…)部材を加工する目的に合わせ、加工しやすいように固定したり、穴開けのガイドを設けたり、用途に応じてさまざまです。今回のギター製作に当たり、本体を作るよりも多くの治具を製作しなければなりませんでした。木工製作は元より、金属加工では必要不可欠なものです。これらの治具は大量生産を目的としたものが多いですが、このように一本作りにも欠かすことが出来ません。治具の作り方が直接完成品に影響を及ぼすものであり、後で出てくるペグやレバースイッチの製作にあたっては、治具との格闘にまで発展していくことになります。よい治具があれば、パートのオバチャンでも簡単に優れた部品を生産できるようになるのです。

ボディーの図面を描きました。次ページへ


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水野哲也イラストレーション事務所