1/3Guitar Bridge 01
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 ブリッジ。この通称シンクロトレモロは、ストラトタイプの音づくりで、決定的なユニットの一つです。偉大なるレオ・フェンダーが発明しました。
 50年〜60年代当初のオリジナル・フェンダーのものは、スチール製のプレス加工でしたが、70年に入ってからはダイキャストに変えられています。ですが、このトレモロユニットはスチール弦を支える要であり音を重視した場合、堅いスチール製がベストと考えられます。
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 ブリッジ・ブロックは5mmの真鍮から切り出しますが、スチール弦を通す穴開けに苦労してしまいました。当初は、簡単なハンドリューター用のボール盤しかなく、どうやっても穴が直角に開いてくれず、曲がってしまうのです。後にしっかりとしたボール盤を購入しましたが、やっぱりちゃんとした道具だけは揃えておきたいものです。

 このブロック…サスティーンはイナーシャブロックによって得られます。これは私も誤解していたのですが、ブリッジブロックに掛けられたスプリングからではないらしいのです。逆に弦振動を減裹させない目的で、この重いブロックを宛っています。また、サスティーンは、独特のコンターボディーとの兼ね合いもあります。この辺の話になると本格的な楽器としての工作になってしまい、そうとうに深い話が展開されます。段階を得ながら追求することにしましう。(あまり深く追求するつもりもありませんが…)

 左の写真は、弦の枕になるサドルに付けられるバネを巻いているところです。0.2mmのステンレス線を自作の山型加工した治具に巻き付けて作ります。

 
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 さて、本体は基本的にすべて真鍮で加工しています。加工が容易なことと、後の接合を銀ロー付けで行うことを考えると、これに限るのです。最終的にクロームメッキを施して、完成します。しかし、直接スチール弦を支えるサドルだけは堅い素材で作りたい。なぜなら、直接テンションを受ける所だし、カナリ重要な部品だからです。その後作り直されたサドルは、焼き戻ししたバネ板を使用することにしました。ねじ切りや穴開けを施し、曲げ加工は曲げ治具を製作。ガイドに従い曲げ付ける。全てが終了して再度焼き入れ処理を施す。でも、こいつを6個も作るには、骨が折れます。 ^^;;

 図面に表示がありませんが、ブロックに開ける弦の通り道は、0.8mm。最初のガイド抗は1.7mmで開けています。穴がとても長いので、特殊コーティングを施したできるだけ堅いドリルを使い、表側からゆっくりと慎重にボーリングを行います。
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©水野哲也イラストレーション事務所