Information
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 ...
Guitar Top Home

工房便りダヨ〜ン^^;;
 

JAZZ BASS(1969)フルアップ
今回は1/1スケールの登場です。
(写真が多いので重いゾ〜^^;; )

2005.2.28
 
約15年程前になるが、あるミュージシャンのベースプレイヤーの方から譲り受けたJAZZ BASSがあった。 1969年製造US-Fender立派なオールドベースである。
ところが、なにやら怪しい雰囲気を全体から醸し出しているこのベース。購入当時はまだそんなに知識らしいものも持ち合わせていなかったため、オールドベースを安く買えただけで喜んでもいた。しかし、いざ弾いてみると弦高の無さからビビリが激しく、明らかにフレットの交換時期を越えているのが判る。しかし、フレット交換はお金が掛かる訳で、当時もう一本あったPrecisionの調子を戻す方が優先されたのだった。
そのままお蔵入りしてしまった
JAZZ BASSであったが、最近娘のバンド活動に伴い改めてその存在が注目されてきたのである。特にビンテージといわれる程のものではないと思うが、相当に弾き込んでいる。以前の持ち主から聞いた話では、彼も中古で譲り受け、しばらく実戦で使用していたらしい。もともとこの手の楽器は、このようにプロの手の中をぐるぐると回り続けるもので、お蔵入りしている楽器が沢山あるだろうと、頷けるものである。
そこで、ネックを外してア!っと驚いた。それは、このベース最初はサンバーストだったのだ。しかしここで疑問。何故プレートを付けたまま、いや、ネックを付けたまま塗装剥離を行ったのだろうか。ネックを付けたままだったという証拠は表側ネックポケットにも残っている。付けたままの方がやりやすかったのか?疑問は残る。
今回選んだフレットはJIM DUNLOP W-3.0×H-1.4という見た目でも一番ごつく太いもので、握力のない女の子でも容易く押さえられ、力強いネックを目指す。弦高もぎりぎりまで下げたいが、あまりブイブイいわない程度に微妙な調整が要求されている。中途半端な仕事は嫌いなので、ノギスで一本一本長さを計り糸鋸で切断することにした。
指板はローズウッドだが、ひょっとしてハカランダだったりして〜なんて、調べてみたけど1966年前後で打ち止めになっていることを知り、ちょっとガッカリした^^;; それにしてもよく弾き込んでいる。指板が抉れてるところが、何カ所も見受けられる。今まで付けられていた古いフレットは、もうぺらぺら状態。しっかりとローズに馴染んでしまい、実に剥がしずらい。端から

砕けていく。瞬接とセメダイン(ラッカーとの相性がよい)で補強しながらの作業が続く。打ち込みも終わり、サンディングですり合わせ。ついでにリアPUの調子が悪いので見てみる。案の定アース線がポット側で切れかかっていたので、新しいビンテージタイプの配線材で接続する。

フレットのすり合わせが終わったところでいざ仮止めしてみると、フレットが高くなったぶんナットの背丈が足りないことに気づき、急遽コリアンから削り出す。ナットの左上に得体の知れない傷跡が…これはストラップピンを付けていた軌跡。外して穴を埋めクリアラッカーで補修をしておくことにする。こんな穴があっちっこっち発見される。^^;;
ナットは出来たが、弦が外れやすくなってしまった。そこでストリングガイドを専用の高さを付け自作することにした。これは、担った部材が無かったので30mmの真鍮丸棒から削り出す。いい加減だが、仕上がりはいい感じでしょう。それにしても真鍮を削ったのは久しぶり。サクサク削れて気持ちがいい。^^;; その後、ブリッジのクリーニング。サドルの一つに付いている高さ調整のビスに、頭が欠けているところが発見される。インチネジなので

交換する物がない。頭をエンドミルでさらい、マイナスネジの溝を0.8mm幅でオリジナル通りに刻んでもどしてやることにした。

これでフルアップは全て終了した。弦を張り付け、テンション、弦高、更にオクターブチェックをする。以前のものとは全く違い、生まれ変わってしまった。JAZZ BASS独特のトーンや、ブイブイ感がたまらない。 なん

と言っても、格段に弾きやすくなった。まったく別物。作業日数は約一週間ぐらい。学んだものも多い。
新しくベース担当になったカオリ^^;;。娘ではないのであしからず。キーボードからの転身だが、なかなかセンスがいいぞ〜。手が小さいので大きなベースが可哀想だが、まったく気にせずに弾いている。自分のベースを買うまでの代用品だが、この代用品に変わる物はなかなか見つからないかもね。 ^^;;
 
大きな写真がご覧頂けます。
 

0Information 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 ...
1/3Guitar Information-04 Guitar Top Home


 
1/3Guitar製作への感想をお待ちしております。お問い合わせは
メールGuitar Topの投稿フォームからお願いします。 。

水野哲也ミニチュアギタースタジオ