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工房便りダヨ〜ン^^;;
 

★形ポジションマークの製作 その2

2005.4.28 
 
 
ここまでくるのに約一ヶ月。インレイの技術は…古来日本にも伝統工芸として漆を使った巧みな技が生きている…ナリ。ギター工芸の場合は、2色混合のエポキシ接着剤に、フィーナーと呼ばれる粉末の着色剤を混ぜて行う。このフィーナーにはローズとエボニーの2色が多く使われるが、当てにしていた所で在庫が切れてしまい、この入手に手こずった。混ぜる量は、耳かき一杯程度。この一瓶あれば、一生使えそうナリ。^^;;
 

では、改めて指板に★形を刻む装置から見ていこう。
前述したように、本来であればトリマーなどを使い加工していく訳だが、装置が大掛かりになってしまう。そこで写真のようなワンポジションだけを固定し、フライス盤で削り取る方法を取ることにした。

別の角度から。

ハイポジションの方から作業を初めたので、15F間で加工が終わっているのがお分かりだろうか。ローズは思った以上に硬く脆い。1mmのビットで全てを終わらせようと考えていたが、甘かった。結局、1.5mmのビットを新たに製作し、★の先端部分だけを1mmビットで丁寧に削り込むことになる。これを10回繰り返す。

この、透明パネルのテンプレートはCADを使い緻密な計算が施された。ビットシャンクはφ3mmとし、市販されているビットシャンクφ2.4を想定して星マークを拡大している。計算ではこのテンプレートの中をビットが辿れば、高さ8.14mmの★が描けることになる。^^;;

今回使用したインレイは合成プラスチック。本物のパールは高価なのだよ。ルーペを使い、直径9mmの中に五角形を描くが、さすがに小さく正確に描けない。一番効率がよかったのは、五角形の頂点だけをトレースすることだった。後はただひたすらルーペで確認しながら、★マークを削り出すのみ。爪をボロボロにしながら10個完成。一日掛

かりの大仕事だよ。

着色されたエポキシが硬化すると、みごとに指板と馴染んでしまう。余計な部分をテーピングして、いよいよ仕上げに入る。テープは電気用の絶縁テープ。これが以外と重宝する。あとはデザイン用のドラフティングテープをよく使う。

ヤスリで荒削りをしたあと、耐水ペーパーで仕上げる。よく見ると一端、円を埋めた後が残っているのがお分かりだろうか。普通ここまで丁寧にやるかいな。オリジナルの製造時、センターがいい加減に取られていたことが、はっきりと分かる。インレイの深さは約2mm。

Hirokey完成。^^;;

娘のバンドでリードギターを担当している「Kanako」の愛機。ステッカーを貼りまくってる。品物は中国製で、安物なのだが、このギターをこよなく愛している。「Hirokey」と名前が付いているところをみると、コイツは男に間違いない!ナンチャッテ^^;;

ところで、このギター。驚くほどよくできている。たまたま偶然に同じ作りを二台面倒を見ることになり、隅々まで検診させてもらいながら、中国製も満更捨てたもんじゃないことが、今回よく分かった。金属パーツは殆どが韓国製。

ブリッジブロックが肉薄で(見事に薄く、まさか資材の削減でもあるまいし)、交換したいところだが…全体のバランスは実によく取れている。生音も大きく、アンプを通さなければ、練習用としてはまったく問題なし。PUは中国製と思われるが、裏側にマグネットが付けられ、パワー的にはよく拾っている。しかし音質はクリアではあるが、痩せた印象を受けた。本格的に音を理解してくれば気づくことだが、初心者が扱う初物としては十分でしょう。PUも含めて交換したいところだが、バランスが狂ってしまうし、それだけでこのギターがあと数本購入できてしまうのだ。製造工程と使用材の当たりはずれはあるとしても、気楽にガンガンこいつを弾き倒し、上手くなるきっかけを得てほしいのさ。ボロボロになった姿が見たくなるのは、アタシだけかしらん。^^;;
 

Hirokey=完成写真はこちらから^^;;

 

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