工房便りダヨ〜ン^^;;
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2005.6.11
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弦振動を直接受け止めるサドルは、プレスタイプ(オリジナル)とブラスブロックタイプがある。今回はプレスタイプの外観を目指すことにするが、バラツキを無くす目的と製作のコスト削減から一体成形をすることにした。 3mm厚の真鍮板を厚さ2.15mmまでフライス加工したものを使う。開けられた穴の径は0.8mm。弦が通るスリットは1mmのエンドミルで攫っておく。この後裏側から溝を付ける。 |
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オリジナル通りのスチール加工も考えてみたが、このネジ加工が最大の山になることから諦めた。ミニチュアと言えども、弦高の調整は欠かせない。このブリッジ周りをしっかりと作ることで、大きな価値観が生まれてくる。無可動タイプでは、おそらくこの弦高調整ネジの部分には丸棒が埋められることになるだろうが、オクターブ調整側はしっかりスプリングと共に取り付けられるだろう。 | ||||
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サドルの弦高調整ネジは、頭をカットしマイナス溝を付けることにする。まさか六角レンチの加工はできないので許されたい。もう少し個数が纏まったところで、メッキへ廻すことにする。イナーシャルブロックを含め、このトレモロブリッジの製作は改めて報告します。 | ||||
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2005.6.4
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図面を描き始めたのはもう一ヶ月以上も前のことだった。 初期の8点止めになるピックガードを製作するのが目的だったが、気づいたときにはネックエンドまでも加工できる大掛かりな装置になった。 |
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大まかだが、写真の説明をしよう。詳細は追って[pickguard]のコーナーで説明します。 その下にあるのが、今回時間を掛けたテンプレートだ。アルミ板2mmから作ったが、ピックアップポケットの加工に失敗してしまい、別に真鍮で作った物が存在する。その右側は、スイッチを取り付ける溝を加工する目的で作られた治具プレート。写真には写っていないが、センターラインをフライス盤で合わせれば、後は加工物を差し替えるだけで簡単に位置決めができるように考慮した。 |
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最初はバカにしていたピックガードも、蓋を開けてみれば多くの行程が隠されていた。曲線をしかも45°のテーパーを付けてカットする方法。1/100精度で位置決めしなければならない取り付けビスの穴加工。ピックアップポケットを美しいアールで削り出す方法…これらはテンプレートを作っただけでは到底達することができないものだった。ちなみに、今回製作したテンプレートは、後の11点止めプレートにも使えるように穴位置が出されている。 3プライは現在仕込み中であるが、厳密には周囲のカットが45°ではなくなる。これは張り合わせるプレートが0.5mmしか入手できないため、仕上がりの厚さが異なるからだ。同じ45°でカットすると、カット面が大きく見え、異質な物に見えてくる。今のところの計算上では57°にカットすると、同じようなボリュームで見えることが分かった。そこで、57°の円錐カッターをまた作らなければならない。 これらのビットを含めて図面は後で公開します。お楽しみに^^;; |
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2005.5.22
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ピックガードの製作から発生した図面問題は、すべての図面を書き直すといった事態まで発展してしまった。そこで、後回しにされていた備品の数々を改めて採寸し、簡単な物はその場で製作してみることにした。 | ||||
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今回は試作も兼ねているため真鍮をつかったが、本番はSUM24Lというスチールからの切削を試みる。真鍮は後でメッキしなければならず、手間が掛かる。SUM24Lは別名快削鋼と呼ばれている鉄で、切削感が真鍮に非常に近く、細かな細工には向いているのだ。 ストラップピンも5mmの丸棒から削りだしている。どうです感じが出てるでしょう。^^;; バリを取って取り付けられる台座の部分を丸くすれば完成。いずれも旋盤が無かった時期、この手の加工はパイプを重ねてそれらしく表現していた。 |
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2005.5.3
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ピックガードは削りだしたばかりで、まだバリの処理はしていません。塩ビ1mm厚を使いテスト制作を行いました。思えば最初のデータは写真からトレースしたままで、正確に図面処理をしていない。しかも、そのデータはプリンター出力され、塩ビ板へ直接張り付けて加工していました。ピックアップ・キャビティーと誤差か生じる訳です。写真のストラトは、現在製作中で展示用の無可動タイプです。ピックアップは先日製作したパワーアップしたもの。これは搭載しません。 | ||||
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CADを使った図面はこちら。寸法は1/3サイズです。オリジナルは年代によってネジ孔が異なります。今回用意したのは62年タイプです。センターとフロントの中央にネジ孔があります。同じ11ホールでも、57年タイプはこの孔が微妙にセンターピックアップに寄ります。クラプトンが使用していた初代ブラッキーは57年の8ホールでした。問題は色です。年代が経過すると焼けたアイボリー色になります。しかし、こんな色の塩ビ板はどこにも置いていません。 同じ物を正確に大量生産するには、しっかりとしたテンプレートを製作しなくてはなりません。しかも機械削りに耐えられるような構造と耐久性が要求されます。薄い塩ビ板に孔を開けるのは、容易いことではありません。孔が大きくなれば成る程難しくなります。それはドリルなどの刃に引っ張られ歪んでしまうためです。曲線のカットも、今まではカッターなどの刃物で切っていましたが、切り口が潰れてしまいます。その後外周はヤスリ等で成型できますが、ピックアップの窓やコーナーのアール等は、この方法はベストではありません。これらの問題を解決するには、適当な板で挟み込み、一緒に切り抜いてしまう方法があります。これは、極薄いアルミ板や真鍮板の加工でも効果的です。しかし、その都度挟み板を用意しても、無駄が出るだけです。まさか、圧力切断も出来ないし…じっくりと考えることにしましょう。 |
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トップページの写真。左にある得体の知れない有機物は、原人が使う魔除けのお面でもエイリアンの骨格でもありませんでした。 答えは〜 |
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以上1/3Guitarとのツーショットでした。
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1/3Guitar製作への感想をお待ちしております。お問い合わせは
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