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工房便りダヨ〜ン^^;;
 

ポット完成!

2005.10.31 
 
 

リアルな外観を目指し製作を開始したポットが、やっと完成した。今回製作
したのは外観のみで、実際ポットとしての機能はない。しかしこのシミュ
レーションが今後大きな実績へ繋がることを祈りつつ、その製作過程を紹介
します。ポットの製作その1はこちら

 

これらの部品は既に三ヶ月近く前に
作られていた。しかし、電極プレー
をベークライトで製作したのが失
敗し、その変わりとなる素材を探し
ていた。一番最初に作った試作の段
階では塩ビを使ったが、柔らかく耐
久製にも疑問が残っていた。今回使
用したのはABS樹脂。加工製、耐久
力共に満足のいく物が得られたようだ。

 

写真がボケぎみなので見づらいかもしれないが^^;;ケース・シャフト・シャフトマウント共に鉄製である。このケースを作るため自作のくり抜きカッターを45Cと呼ばれる炭素鋼から作っている。これも初めての経験だったが、無事に事を運ぶことができた。

 

最終組み立ての手順は、まず電極プレートとシャフトを接合することから始まる。軸は勿論回転する仕組みなため、それを避けた2点を貫通させ、銅製のパイプで接合する。パイプの径は0.8mm。小さな穴(0.2mm)へポンチを立て、両側からカシメてしまう。接着剤は一切使用しない。これは実際の電極の取り付けと同じ方法だ。

 
ではここで、その電極の作り方を紹介。白金0.1mmを幅1.5mmでカットする。カットは押し切りを使う。多少カールするがまったく問題ない。それを写真に見える治具に挟み込み開穴と真ん中の段差をいっぺんにやってしまう。両側だけピンバイスで穴を開け、位置を決めている。この治具からは同時に2個作ることができる。
 
挟み込んだ治具をバイスで固定し、段差の窪みを仕上げている。これで片側が完成する。ばらして反転させ、更に削り込む。今回は同時に2枚、都合4枚を製作した。ベークライトで失敗してしまったことから、数を取り戻すためだ。
 
ご覧のように電極が削れた。これをニッパーでカットし、ヤスリで最終仕上げを行う。色々と試してきたが、この方法がいまのところ一番効率がいい。できることなら3枚同時に作れる治具にすればよかった。写真がボケぎみですみません。^^;;
 

さ〜いよいよ電極を取り付ける。台にしているものはプレートに穴を開けるための治具で、しっかり固定できる作業用の台を作らなければならい。今回は間に合わせだ。0.8mmの銅製パイプは、片側をヤスリでしっかりバリを取り除いておく。普通の事務用のカッターでゴリゴリしていると切れる。このとき捲れ上がった部分がストッパーの役割にな

 
る。裏側から差し込み電極を乗せていく。後はポンチで両側からカシメ、ペンチで挟み高さを揃えるだけだ。
無事に全部取り付けることができた。 ご覧のように小さいため、このカシメ用パイプがピンセットから弾け、いくつも飛ばしてしまった。昔は探しもしたが、まず見付けることができないため悔しい思いに駆られ
た。今では何も考えず次を作る。しかしこれが重要な部品だったりすると血眼になって探し始める。そのために直ぐ側に懐中電灯さえ置いている。これは必需品ですよ、みなさん。^^;;
 
ここで仮組をする。電極プレートの保護用に付いている薄い金属板も作った。これらがぴったり合うためには計算された設計が必要になる。全てをCADで設計し、切削もロータリーテーブルを使い角度計算が施されている。侮る無かれポットたちよ。
 

3個完成。電極の先端が不揃いだが、ハンダ付けで隠れてしまう。許されよ。うっかり2種類作ったケースを混ぜてしまった。

ここまでの行程も複雑で、しかも手間が掛かる。これに実際の抵抗体を忍ばせ、機能するポットを作るには、また一山大きな問題が待っている。ラジオ部品では小さなポットも数多く存在しているが、外観が全くことなってしまう。近いものとしては…ラジコンのコントロール・スティックに連動しているものがあるかもしれないが、やっぱりリアル感がでてこない。レバースイッチやピックアップもすべて手作りしているからには、このポットも手作りするほか無いでしょう。^^;;

 

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