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工房便りダヨ〜ン^^;;
 

ペグの再考察

2006.5.27 
 
 

インボリュートカッターの完成から更なる進展は?
ケースも含め、全てを理想となる形に近づけるためには、設計からのやり直しが要求されます。記念すべきギアの完成から数ヶ月が過ぎ去り、欲が湧いてしまったアタシは全部の部品を作り直すことに決めました。できる限り実物に忠実を来たし、ギアの歯数も12から15へ、ケースに至ってはプレス構造へ近づけ、台座への取り付け方を実物通りカシメ構造と決めます。ところが、このことによって更に大きな試練が待ち受けていました。まずは写真をご覧あれ…

 
 
ケースを連続で6個作ってしまう計画です。これは台座に当たる部品で、1mmの真鍮から削ることにしましょう。はじめに考えたことは基本に忠実に、穴開け用のテンプレートを作りました。上がその写真です。しかし、これがうまくいかない。穴は開けられてもその後の加工に繋がらないことが判明。仕上げは厚さを0.8mmまで薄くしたいことや、約0.4mmの剔りをしなければなりません。しかも、しっかりとしたセンターの元で…時間を掛けて作ったプレートも無駄になってしまいました。
そこで、気を取り直し!基準線からのダイヤル測定法に切り替え、一枚づつ確実に切削していくことにします。
 
写真はアルミ製の固定プレートに設置し、ほぼ加工も済んだ台座部品。このあと厚さを0.8mmまで落としそれぞれをカットします。裏側からは既に切り離す位置をV字型に加工してあり、手作業では到底達することができない仕上がりが期待されます。本来ならばこれらもプレス一発で作られているものですが、これを切削で作るには多くの行程が隠されていることに気づかされます。
 

さて、同じようにダイヤル測定法で切削されたケース部品です。試験的に作ったもので4枚連続しています。厚さは0.5mm。実物から逆算すると約0.3mmが理想ですが、素材と耐久性から0.5mmに落ち着きそうです。この切削は時間を掛けてます。見ての通り複雑怪奇極まりないもので、曲げのデータを幾つか取り、それらのものから細かな図面を作成。その図面通りにミリングビッ

 
トを走らせなければなりません。もっと簡単な方法は幾つか考えられますが、同じものを大量に正確に作るには、今のところこれがベストかもしれません。特に曲げに対する直角性や穴の位置などを考慮した場合、手作業では難しいものがあります。
 
 
さあ〜次は、玉の製作です。
いままでこの玉に関しては加工しやすい真鍮を使ってきました。しかし改めて作り直すなら、いっそのこと鉄で作ってしまいましょう。使用した素材はSUM24Lと呼ばれる快削鋼です。比較的柔らかく、加工がしやすいことで知られるものです。まずは、φ6mmのSUM24Lをφ5.3mmまで落とし軸受けの穴を開けます。更に上下を0.6mmづつ削り落としヤスリで楕円形に加工。それらを適当な長さに切り落とします。
 
 
芯円に直角に穴を開ける難しさはありますが、この辺は差ほどのことではない。^^;;難しいのは…玉にある独特のアール加工です。この問題を解決するには、治具の開発とその独特のアールに合ったカッターを自作しなければならないことです。左にある写真で太い柱のように見えるものが、自作のカッターです。S45C(炭素鋼)φ6mmからの力作で、非常によく切れます。写真では削りカスが付着していてよく形態がはっきりしていませんが、いずれ写真を撮り直し掲載します。台座はロータリーテーブルで、センターを合わせた自作の治具を回転させて削ります。右の写真が削り終えたところです。
 
さて、加工が終えた玉に磨きをかけなければなりません。そこでこの掴みにくい(仕上がりは角が取れてつるつる状態。とても滑って掴みにくい^^;;)玉をどうやって銜えるか、考えました。写真をご覧あれ。φ10mmの真鍮から作った“玉つかみ”です。このおかげて実に作業がしやすくなった。^^;;
 

さてここで、完成写真を掲載したいところですが…まだ作業が途中状態でもうしばらく時間がかかりそうです。なにせ、ペグワンセット6個ありますんで。^^;;

同時にネックを新たに2本仕込んでおります。今回は程良く?木目が出たメイプルを使い、指板はローズとブラックです。

 
 
 

トラスロッドを仕込み、指板を張り付け、加工します。写真はローズウッドを加工しているところ。いつもながらこれをやると鼻の中が紫色になる。^^;;

ペグの完成は改めて掲載します。なかなか思うように事が運んでくれないのが辛い…

 

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