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工房便りダヨ〜ン^^;;
 

ピックアップケース

2008.01.01 
 
 

年明け早々に、ing,,,,,,で申し訳ありません。このギターを作る切っ掛けを運命づけた友人が、3年前に家を建てた。あだ名は”カンガルー”。数少ない親友のひとり。普段から我が物顔で押しかけても、何にも言わず歓迎してもらえる。本当に心から感謝してます。そんなお祝いにと、一本用意したのが上の写真。ベックバリのイエローボディーは、アルダーの単板。ネックはハードメイプル(おそらく、どこかのボーリング場のレーンでしょ!?)でローズ指板。うっかり(嘘、なまけた!)ロッドを入れる前に指板を貼り付けてしまい、これが悲劇を招くことになる。ちなみに、上の写真、つまりは当然それだけ古いことになるので、要注意。

リクエストは、ジェフ・ベックが1986年軽井沢に設置された野外ステージで使用された、ベック用に調整された御竿。3本あったらしい。

 
極最近・・・
 
BY_02   あの黄色いギターは、セイモア・ダンカンがビルドし、フェンダー社を退社する前に納めた仕事らしいことを知ったのは、その後まもなくだった。フェンダー社はカスタムショップをその後立ち上げ、後に現在市場で見受けられる「ベックタイプ・カスタムメイド」を売りに出した。写真で見受けられる印象では、、、至って普通に見える。別にローラーナットが付いている様子もないし、テンションピンも規制の

ものに見受けられる。残念なのが、ブリッジの様子が手に覆われて見ることができない。トーンセレクタのスイッチ類とかも見えないし。ダンカンは以前よりBECKのカスタムメイドを担当していたという。そんなことから、今市場でみられるベック・カスタムはごく最近のもので、実際に彼がステージで使用したものとは金具類が違うことになる。でも、手の込んだパーツがぎっしり詰まった高そうなギタ〜 作ってみたいですね。 ^^;;

 
我が儘に
 
bridge  

どの部品をどうチョイスしたのか?知りたいところだけど、でもそんなの関係ねえ〜。とにかく作らなければならない!状態になってしまった以上、こう判断してみました。

まずは、基本の一本を。

しかも今回は大きなテーマがあります。それは実装タイプではなく、展示タイプにすること。要は見た目で勝負ということです。新しいアイディアも出てきました。それに合わせた金物類も、じっくりと料理しなければならない。少しづつ作りだめしておいたパーツは、出番を待っています。相変わらずやっていることは実物を組み立てるのと同じ事です。いや、それ以上の事をやっている。前述したように、「ベックのギターは昔からあっちこっちと手を入れた改造品が殆どで、そのマニアでも分からないところがいっぱいあるらしい。」と、資料にある。彼は車が大好きで、カスタムパーツや部品を組み込んだ”竿”に跨り、事故も起こしている。九分九厘それ(部品)でなくてはならない話は、主義主張が乱れ飛び、怪しい冤罪までも引きおそれ兼ねない。正確に再現するのが目的ではない。そもそもその行為は不可能に近い。だから、「ベックを意識したコピー」で、いいのだ。
 
美しい!
 
bridge  

ベックが使ったギターがどんな状態にあったのか。どんな音が出したかったのか。これら作り上げるコンセプトであり、このことが大きなヒントにも繋がっていくことになる。しかし再三繰り返すが、実際に演奏目的で工作している訳ではない。展示目的としての価値観は「美しい!」ことだ。

今回チャレンジするのは、ヘッドマシンを一体成形することを計画した。しかも、中に組み込むギアマシンは全て捨て去り、簡略化を試みる。しかし、弦は張らなければ格好がつかない。さて、何としたものか。更に、ヘッドにあるフェンダーのロゴマークと細かな文字群に注目。念願だった手書き手法を機械化し「印刷した文字」を実現させた。昔(今でもある?)インスタントレタリング略してインレタがあった。このインレタを自分でつくる方法はないものかとネットサーフィンでたどり着いたのが、熱感知式プリンターMD5500でした。この効果は絶大で、身の毛も弥立つ程に感動してしまった。ご覧のように写真からはとても1/3スケールとは思えない完成度が実現している。アルプス電機様、感銘いたしました。

 
サドルブロックのカットはどうするの?
 
今回試みたのは、ブロックタイプのサドルを作ってみることにした。これが、スチール製であったりブラス(真鍮)製であったりする。ブリーチブロックから入れられた弦が、くるりと90度向きを変え、テンションが力強く加わるところであるからにして、ブロックの真ん中向きが変わる場所に、綺麗な曲線のカットが入れられているのを、ご存じだろうか。これをどのようにカットしたのかは、いずれお披露目するにして^^;; これが、治具の製作から話は始まってしまうので、、、また、次回へ。
 
そんなわけで、、、
 

どんな訳だよ。。。あと少しのところで、完成です。この、あと少しとは----ピックアップケースです。どうやれば、あの大量生産された、いかにも金型プレスへ真空注入したプラスチックを表現できるのか! 当初からあきらめていた部品のひとつです。ところが、製作する目処が付きました。写真はまだありません。表側から見て、正しく見える。この考えです。1つの物を拘りを持って作ることは、とても大切なことです。しかし、このことによって溜まるストレスも膨大なもので、あきらめなければならない自体も生じます。しかし、全く違う発想から解決へと向かうケースもあります。サドルの製作も爾りですが、たどり着くための行程を、どのようにイメージできるのか、今自分ができる技術と知識をどう組み合わせることができるのか。絵を描くことや、音楽をすることや、物を作ること。すべて一緒です。私は単におもちゃを作っているわけではありません。完成したものは芸術品として発表します。

現在までの残されていた写真を掲載します。左から、サドルブロックに使うネジを合わせてみたところです。ネジの直径は1mm。そのネジの頭をカットし、機械に固定。厚さ0.4mmのスリワリフライヤーでマイナスのねじ山を刻んでいます。完成したのが右から2番目の写真。この行程を都合30回こなしました。一番右側はバネを巻いています。センター軸に使用したのは45cと呼ばれる炭素鋼です。巻き付けるステンレス線は0.2mmを使用しました。

 
 
現在の全体像はこちらから。あと、すこし。。。^^;;
 
 

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