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工房便りダヨ〜ン^^;;
 

インボリュートカッターの自作

2006.3.25 
 
 

昨年の10月以来の更新となります。^^;;
本業に追われ続け、眠れない夜が3日おきにやってくる毎日にもやっと終止符が打て、ギター作りに復帰します。体力の温存には多少時間も掛かりましたが、忙しいといえども頭の片隅では絶えずギター製作のことを考えており、すべてエネルギーを使い果たさず、力労なれど楽境でありたいと願う毎日であります。

さて、もう何度も言い放っている通り、ヘッドマシンに使われるギヤの製作が最大の難関であり、このギター製作をはじめてからどうすれば正確なギヤが作れるのか、試行錯誤の連続でした。そこで色々な文献を読みあさり、行き着くところはインボリュートカッターであります。しかし、市販されているカッターは遙かに大きなもので、この製作には向かないものばかり。そこで、いっそのこと「すべて自分で作ってしまおう計画」に基づき、密かにカッターの設計を行い、実行する時がやってきたのです。今回は、このインボリュートカッターと試作されたギヤポストをお見せします。

 

インボリュートカッターの詳細については、あまりに専門分野に入りすぎ、説明をしているだけで飽きられてしまいそうなので^^;;中略させていただき、写真の説明をしましょう。直径6mmのS45Cと呼ばれる炭素鋼を使い加工していきます。写真は旋盤加工が終了し、ロータリーテーブルに取り付けたところです。これからフライス加工へと進み、いよいよ金属を削るた

 
めの刃加工へと移ります。計算上では歯車の噛み合いをしっかり出していますが、手元の機械では1/100の加工は機能上できません(送り歯の一目が0.025mm)。そこで、刃先のアール加工は勘を頼りにバイトを作り、旋削時の刃の深さと幅をできる限り正確に送りだすことで成功しました。しかし実際に使ってみると、もう少し刃の深さが必要であり、くわえの長さが足りないこともあり、後にもう一本作ることになります。
 
フライス加工をしています。ビットは超鋼1mmの二枚刃。オイルを掛けながら高速で回転、36度間隔で10枚の刃を刻みます。最初はセンター送りで刻みますが、二回目は角度をずらし、ニゲと呼ばれる退けた部分を削り終了します。ここまでで切削作業はおしまい。後はこれに焼き入れをし、刃先をオイルストーンで整えます。
 

一番上の写真で、真ん中に位置するのが上の写真もの。焼き入れをしたためススケた状態でみえますが、ご覧のように立派に歯車を削ってくれました。後に、再度設計し直したものを作り、同じ写真に収まってます。焼き入れ作業の前なのでとても美しい金属肌。^^;;

 
 
今回のカッター完成に伴い、加工する部材の用意です。都合3台分。素材はSUM24L快削鋼と呼ばれる鉄です。しかし、柔らかくしかも脆いこともあり、ポストとしては実用的ではないかもしれません。実際に弦を張り付けて使用するには、ロッドと呼ばれる超硬い炭素鋼を使い加工しなければなりません。素材は現在手配中。ステンレスでもいいんですが、加工がしにくいという欠点もあり、なかなか手がでません。この新しいヘッドマシンは追って報告します。^^;;
 

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